資産運用を考えるブログ

30代会社員が将来のFIRE(金銭的自由)に向け、日々資産運用について考え実践するブログ

退職後でも職業訓練給付金を受け取れるのか

前の会社を退職後に予備校などに申し込んだ場合、一般教育訓練給付金として受講料の20%還付は受けられるのでしょうか?

 

受講開始日が退職後1年以内であれば、教育訓練給付金を受給できます。

 

何か資格を取得することを目的に会社を退職する、または退職した後にチャレンジしたくなって申し込む、などといった方も多いかと思います。

そんな退職後に教育訓練給付金の対象となる講義などに申し込んだ場合でも、その受講開始日が退職から1年以内であれば、問題なく教育訓練給付金を受給するチャンスがあります。

 

一般教育訓練給付金であれば、受講料の20%もの金額を受け取ることができます。

20%ももらえるって非常にありがたいですよね。

ただしいくつか注意事項もあります。

後になってから「要件を満たせていなかった…」とならないように、受講を申し込む前に最寄のハローワークに相談・確認しておくことを強くお勧めします。

 

注意事項① そもそも支給要件期間が3年間あることが前提

雇用保険の被保険者期間が最低3年間必要です。

大学卒業後就職して雇用保険の被保険者となった場合、通算3年間(途中で転職等が入ってもOKです)被保険者であり続けることで、ようやく支給要件期間を満たすことができます。

そのため、新卒で就職後すぐに退職をしてしまった場合、要件を満たせず教育訓練給付金が受給できません。

 

注意事項② 事情により1年以内に受講開始できない場合は、期間延長も可能

上記で退職後1年以内の受講開始であれば(3年間の被保険者期間は満たしている前提)、教育訓練給付金が受給できると述べました。

ただもし病気や出産などの理由で1年以内に受講開始ができない場合、その後に受講開始しても認められます。これを適用対象期間の延長と言います。

ハローワークにその事情を申し出ることにより、事後の申請でも認められます。

私の場合、当時仕事で海外に居住しており申請ができないという理由で、帰国後の申請を認めてもらい、無事に教育訓練給付金を受給できました。

 

注意事項③ 一度受給すると、支給要件期間がリセットされる

教育訓練給付金を一度受給すると、積み上げた支給要件期間がリセットされてしまうため、次の申請までまた3年間雇用保険の被保険者となる必要があります。

この期間は、受講開始を起点にカウントされ、その時点から次の受講開始までが3年間空いていれば、認められます(被保険者でなければ、期間カウントされません)。

よって、複数の資格を連続して取得したい場合は、3年間空けるか、もしくはより金額の高い方で給付金申請するのが良いでしょう。

 

 

給付金が受けられる貴重な制度ですので、自分にも受給できるチャンスが本当にないか見直して、是非有効活用しましょう。

 

それではまた。

国民年金を勘違いしていませんか?

国民年金は破綻するかもしれない。将来もらえるか分からないから、払いたくないし払う必要はない」

 

こんなこと言う人、皆さんの周りにいませんか?

 

そもそも大前提から間違っていますし、日本の国民年金を正しく理解できれば、実は非常に優れた制度なんです。

今回は国民年金制度とその特徴について、述べていきたいと思います。

 

 

1. 国民年金は長生き保険

国民年金はもちろん年金ではあるのですが、ひと言でその特徴を表すとすれば、「保険」です。

国民年金には主に以下3つの保険的性質があります。

  • 老齢年金: 最もイメージの湧きやすい部分ですね。一定年齢に達したら死亡するまで年金を受給できるしくみ。
  • 障害年金: 万一重度の障害を負ってしまった際に、死亡するまで年金を受給できるしくみ。
  • 遺族年金: 万一夫や妻が子を残して死亡した場合に、子が一定年齢に達するまで年金を受給できるしくみ。従来は母子家庭のみが対象でしたが、10年ほど前にようやく父子家庭も支給対象となりました。

 

障害・遺族年金は、万一の事態が発生した場合に、資金的な支えとなる安心な制度です。

また老齢年金については、死亡するまで受給できる、という点が非常に魅力的な制度です。人間はいつ死ぬか分かりません。明日死ぬかもしれないし、120歳まで生き延びるかもしれません。しかしながら人生設計をお金の面から考えた際に最も恐いのは、実は後者です。

つまり「長生き」こそ最大のリスクなのです。

80歳くらいで死ぬかな~なんて考えてお金を使い果たしてしまい、結果まだまだ死ななかったとしても、その年でまもとに働いてお金を稼ぐことは、現実的ではありません。

逆にいつ死ぬか分からない中で年金が無ければ、恐くて貯金を取り崩すことができず、消費に全くまわらないという状況が発生してしまいます。

それを支える安心な制度が老齢年金であり、最低限の金額ではあるものの死亡するまで永遠に受給が可能です。

民間でもトンチン年金(終身年金の一種)がありますが、それに加入せずとも国民年金で十分だと思います。

 

 

2. 実はおトクな国民年金

損得面でも、国民年金は十分おトクな制度と言えます。会社員ではない第1号被保険者(個人事業主や一定所得以下のフリーターなど)は、月額1万6千数百円を支払わなくてはならず、大きな負担だと感じている人も多いと思います。納付をした月数に応じて将来の年金受給額が決まるため、未納付の人は当然ながら受給できません。

ただ実は国民年金の財源の半分は税金が投入されており、第1号被保険者の負担は本来の半分で済んでいるのです(もちろん税金という形で間接的に払ってはいるわけですが)。

 

そして国民年金を納付した場合、その金額は社会保険料控除として、課税所得を計算する際に控除することが可能です。

国民年金保険料の納付額は年間で約20万円に及ぶわけですが、その全額を控除できるため、年収300万円であれば280万円が課税所得となるわけです(単純化するために他の控除を無視しています)。

その控除後の課税所得に対して、所得税・住民税が課せられるわけですから、所得水準により数十%所得税・住民税負担が軽減されることになります。

ふるさと納税や医療費控除を検討する前に、控除できる国民年金がある場合は最優先で確認をすべきです。

 

また受給面においても、繰り下げ受給を適用すれば、月額最大42%増しの金額を受給することができます。長生きをする自信がある人は、チャレンジしてみると良いですね。

通常の受給と比べた損得ラインは、70歳まで繰り下げた場合で82歳と言われています。

特に女性の場合は寿命が男性に比べて5~6歳程度長いため、それなりの確率でこの損得ラインを上回って長生きすると予想されます。

死亡するまで一生増額された金額が受給できるわけですから、長生きリスクという観点でも非常に有効かと思います。

 

 

3. 年金制度は破綻しない

日本の年金制度は賦課方式と呼ばれ、現役世代が納める年金保険料によって高齢者への支給が賄われるしくみです。つまり、現役世代から高齢世代に仕送りをしているイメージです。

そして現在の現役世代が高齢者になった時、将来の現役世代がその人たちに仕送りをするわけです。

そのため、少子高齢化が急速に進む中で、保険料を納める現役世代が減少し、逆に年金を支給される高齢者が増加しています。

これを受けて、「日本の年金制度は本当に大丈夫か!?破綻するのでは!?」なんていうことが頻繁に叫ばれます。

ただ実際年金財政はどうなのかというと、実は赤字どころか大幅な黒字で、毎年資産がどんどん積み上がっています。

日本の年金財政は大きく2つに分けられます。

1つ目が毎年国民から納付してもらう保険料と、国民に対して支払う年金です。

そして2つ目が、すぐには使う必要のない余剰資金の運用資産です。

1つ目については、厚生年金・国民年金合わせて、おおよそ年50兆円の収入に対し支出は同じく年50兆円で、大体収支はトントンです。一部は2つ目の運用資産により補填されていますが、大部分はその年に収められた保険料により、支払われる年金を賄うことができています。

2つ目の余剰運用資産は、現在150兆円超もの金額があります。これは昔賦課方式に切り替わった際に発生した余剰資産がこれまで運用され続けてきたもので、着実に増え続けています。

この運用資産はGPIFと呼ばれる組織により運用されており、長期的に「賃金上昇率+1.7%」という運用利回りの目標が掲げられています。

仮に賃金上昇率が0%の場合、目標運用利回りは1.7%で、150兆円×1.7%=2.55兆円のリターンを見込んでいるというわけです。

ただ実際にはそれ以上の運用成績があげられており、そのごく一部のみが各年度の年金支払いに充てられている状況のため、残る運用資産が年々増え続けています。

 

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GPIFホームページより引用

 

今後も運用資産の規模が大きくなるほどリターンの金額は膨らんでいき、複利効果で当面資産が順調に増え続けていくものと予想されます。

 

この事実は世間的にあまり認知されておらず、それを知らずして年金財政について語るのはあまりに不適当と思われます。

 

 

まとめ

年金の特徴や財政状況について見てきました。

ネガティブな印象が持たれがちな年金ですが、実は国家が提供する優れた保険制度であり、非常におトクな制度なのです。

財政状況も良好で、資産は順調に積み上がっています。

 

年金制度を批判するのは個々人の自由ですが、正しく理解をした上で全うな批判をすべきですし、一個人の立場からは制度をしっかりと把握して有効活用することにエネルギーを注いだ方がより良い気がします。

 

それではまた。

オリックス(8591)分析

先日オリックスの2021年3月期の第2四半期(2020年4月~9月)の決算が発表されました。

詳細な内容は会社の決算説明資料を見ていただくとして、私が感じたことを述べていきたいと思います。

 

今回は発表された上期累計の利益は、以下の通りでした。

当期純利益:938億円(前年同期比▲41.0%)

セグメント利益: 1,495億円(前年同期比▲38.0%)

 

 

総評とコロナの影響

大幅な減益です。単純に2倍して年換算しても、純利益は2,000億円に満たないことになります。

しかしこのコロナ禍、想定よりも検討しているのでは?というのが率直な印象です。

空港やホテル運営を抱えているため、相当な落ち込みが予想されていましたが、他の事業が安定的に稼いだことで、全体としては減益幅を最低限に食い止められました。

また、第1四半期よりもだいぶ持ち直してきています。

 

オリックスが特にコロナの影響を受けた事業として挙げているのは、以下の通りです。

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オリックス株式会社ホームページより引用

 

やはりコロナにより旅行(特に海外)がほぼ皆無になったことで、それに関連する事業が軒並み大打撃を受けています。リースは数年前に巨額の出資をしたアボロン社、そして空港コンセッションは関西3空港を抱え、非常に厳しい状況です。今後数年は元に戻ると思えず、多少の回復はあれども当面足を引っ張ることが予想されます。航空機リース業界は最近M&Aが活発化していることから、オリックスにもまた新たな動きがあるのでしょうか。

空港コンセッションは事業権利獲得後、順調に業績を伸ばして来ていただけに、非常に残念ですね。

逆に上記以外の事業については大きな影響はなく、総じて順調に利益を計上できていると言えます。

 

 

オリックスの強み

コロナによる減速はあったものの、今後も大きな成長が見込め、指標が圧倒的に割安であるオリックスについて、個人的に考える2つの強みを挙げてみたいと思います。

 

 

強み①:事業ポートフォリオの入替の柔軟性

上記でも触れたとおり、オリックスは様々な事業を有しており、一部の事業が不調でも総崩れとなることはまずありません。特に銀行・保険・カードなどといった不況にも強いビジネスを有していることで、リーマンショック東日本大震災など、有事の際でも常にオリックス全体としては黒字を維持してきました。

そんな中で、上記のアボロンの他にも、弥生会計、ロベコ、グリーンコーエナジー、インフラサービス会社など、コンスタントに数百~数千億円レベルの買収や出資を繰り返してします。

日系企業にありがちな、初のM&A挑戦で数千億円を投じ、数年後に大減損といったことはほぼなく、M&Aを繰り返す中で目利き力を身に付けた日本有数の企業であると思います。

 

更にオリックスの凄いところは、売却上手でもあるという部分だと思います。

基本的に日系企業の場合は買収の部分に注力されることが多いと感じており、買収後はそのまま統合・保有を継続していくか、大減損の果てに買収時の数分の一の価格で泣く泣く売却する、という2パターンにはっきりと分かれる気がします。

その一方でオリックスの場合は、市況に応じて高値で事業を売却する、という選択肢も持っています。事業会社でありながら、ファンド的な側面も兼ね合わせているということですね。

近年で言えばオリックスリビングやその他関連会社、不動産の一部売却など、高値で売れる状況であれば柔軟に売却できる態勢がとられています。ロベコも売却が噂されているようです。

 

買収・売却ともに常に情報収集のアンテナを張り、適切なタイミングで柔軟に売買をする。そんなところがオリックスの良さの一つかと思います。

 

 

強み②:適切なリスクコントロール

売買を繰り返しているオリックスですが、その裏には適切なリスクコントロールが存在します。借入は長期・短期が常にバランスよくコントロールされ、国内のみならず海外での銀行借入や社債も組み合わせるなど、複数の資金調達源を常に確保し、一定程度のキャッシュを備えています。それが上記の機動的な買収によるリスクテイクや、コロナ禍でも動じない運営につながってきます。

レバレッジを適度に利かせることで、オリックスROEは高水準で長い間保たれており、まさに株主資本を有効活用した優良企業と言えます。

 

 

今後のオリックス

一見順調そうに見えるオリックスですが、将来に向けて気になる点もいくつかあります。

まず一つが既存事業の停滞です。銀行・保険・カード・レンタカー・不動産など、ありとあらゆる事業を有していますが、その業界のダントツトップである事業はほとんどありません。特にオリックスの祖業であるリース事業は、ここ数年減益トレンドにあります。同様に法人金融事業も減益が続いており、もはやオリックスの中で低収益事業の部類となっています。

また一見堅調な銀行業については、オリックス銀行が不動産ローン(住宅・投資用とも)に注力するなどしてメガバンクとは異なる独自のポジションを築いてきました。ただ近年他行が急速に投資用不動産ローンを引き締める中で、オリックスは比較的融資を引きやすい状態が続いているようです。

コロナ禍で全国各地(特に都心部)の賃貸の空室率は急速に上昇しており、今後何らかの影響が出てくることが懸念されます。

 

 

まとめ

以上、オリックスの強みや心配な点について、個人的な見解を述べてきました。

総じて言えば非常に魅力的な企業で、今後も全体としては成長が続いていくと期待しています。

更に大阪IRに立候補していることもあり、当選が濃厚な雰囲気ですね。

収益寄与はまだだいぶ先になりますが、カジノを含む一帯のリゾート運営で、将来的には相当な利益貢献が期待されます。

 

楽しみな企業ですね。

それではまた。

祝RCEP署名

RCEPがついに先日署名されました。

 

従来のTPPや日EUEPAに比べて世間の関心はあまり高くないものの、産業界にとっては非常に大きな一歩だと思います。

今回はそんなRCEPが今までのFTA/EPAと何がどう異なるのか、RCEPの特徴について世間の誤解も含めて述べていきたいと思います。

 

※ちなみにFTAとはFree Trade Agreementの略であり自由貿易協定のこと、EPAはEconomic Partnershipの略で経済連携協定のことです。EPAは経済全般の連携を広くカバーしており、その中の一分野として、FTAによる関税引き下げが含まれています。

そのため、特に関税引き下げについて述べる場合は、正確には「FTA」を使うことになります(EPAでも間違いではないですが)。

 

特徴①:中国・韓国と初めて締結されたFTA

何といってもこれに尽きます。日本にとっては初めて中国・韓国とFTAが締結されました。

RCEP参加国は日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド・ASEAN10カ国の計15カ国と、非常に参加国の多いFTAです。その中で日本は、中国・韓国を除く全ての国と既にFTAが締結されており、RCEPが締結されても劇的な進化はありません(細かい部分はもちろん異なりますが)。

一方で対中国・韓国は完全に初めてのFTAであるため、これがRCEP締結による最も大きな変化点となります。従来は中国・韓国ともに、自動車を含む工業製品にそれぞれ関税を課していましたが、RCEPにより工業製品の内約90%(品目数ベース)が関税削減の対象になるとのことです。対象製品を日本から輸出する日系企業にとっては、価格競争力を高める願ってもないチャンスとなります。

 

しかしながら気になる点が2つほど。

まず1つ目が、削減期間の長さです。約90%の品目が関税削減の対象とされているものの、すべてが「即時撤廃」というわけではありません。元々の関税率(MFN税率)が低かった品目を中心に関税が即時撤廃とされており、残りの品目については「段階的削減」とされています。品目により、10~21年かけて少しずつ関税率が削減されるため、最終的に関税が撤廃されるのは、遅くてRCEP施行後21年となります。

そして2つ目が、その対象品目です。上記とも関係しますが、段階的削減とされている品目や、そもそも削減の対象外とされている品目は、当然のことながら各国が自国産業を侵食されたくない品目になります。最たる例は自動車です。中国・韓国ともに、自国に自動車メーカーがあり、多くの雇用を抱える一大産業です。関税率を下げてしまうと自国企業の競争優位性が薄れてしまうということで、自動車(特に完成車)については対象外とされています。

また、中国は電気自動車用のモーターが段階的削減の対象とされていますが、削減期間が16~21年と非常に長く設定されています。

現在電気自動車の世界最大市場で、今後も爆発的な伸びが予想されます。国家として電気自動車産業の育成を強力に推進しており、今後中国企業が業界のトップに育っていくと思われます。それまでの時間稼ぎとして段階的削減に留め、その間に中国企業の育成を推進するという思惑と思われます。

これらの点、日本政府からは関税率削減を交渉で獲得した部分ばかり強調されていますが、実態としては重要な部分で削減を勝ち取れなかったのかな、という印象です(それよりとにかく確実に締結することを優先した感じですかね)。

 

 

特徴②:原産地規則のハードルの低さ

続いて2つ目の特徴は、原産地規則のハードルがTPPや日EUEPAと比べて低いことです。

一般的によく誤解されることとして、FTAが締結されている=関税率が削減される、ということがあります。

FTAに実務で携わっている方にはよく理解されていることですが、FTAが締結されているだけでは関税率は下がりません。その国の原産品(例えばある製品が日本産)であることを証明し、必要な書類を揃えて、はじめて関税率が削減されます。この「原産品」であることを決定するための定量的なハードルとなるのが、原産地規則(基準ともいう)です。

原産地規則は各FTAや品目により異なり、近年締結されたTPPや日EUEPA、更には日米物品協定(通称TAG)では、非常にハードルの高い原産地規則が設定されました。例えば日本でより多くの付加価値や高度に性質を変えるような作業を行わないと、日本製と認められなかったのです。そのため、実際に工場を日本に構えて製造をしていたとしても、その原産地規則を満たせないために、日本製と認められないケースが相当ありました。

 

しかしながら今回締結されたRCEPでは、比較的ハードルが低く設定されています。

従来日本がASEAN各国やオーストラリアなどと締結していたEPAと同等の原産地規則とされており、TPPや日EUEPAと比べてクリアしやすい内容になっています。

この点、日本の産業界の声が大いに反映されたと思われ、実際に利用しやすいFTAとなりました。

 

 

最後に

これまで述べてきたように、非常に期待の高まる内容であるRCEPですが、残念ながらすぐに開始とはなりません。先日署名が完了したのになぜ?と思われる方もいるかと思います。

実は今後実際にRCEPが開始されるまでには大きなハードルがあり、それは各国内における批准手続きです。これが完了しないことには、RCEPは開始されません。

今回発表された内容では、参加15カ国全ての国の批准が求められているわけではなく、ASEAN10カ国の内6カ国以上、その他5カ国の内3カ国以上、の批准が完了すれば良いこととされています。

ただ批准には相当の期間を要すものと思われ、少なくとも2020年・2021年の開始は難しいのでは、と見込まれています。

 

いずれにせよ、日本の産業界のみならず消費者にも大きなインパクトを与えるRCEP、今後の動向が非常に楽しみです。

 

それではまた。

賃貸 vs マイホーム

賃貸 vs マイホーム。

この論争は永遠のテーマですよね。あらゆる所で語り尽くされているテーマですが、個人的な見解を述べてみたいと思います。

 

まず始めにお断りとして、私自身は現在賃貸に住んでおり、完全な「賃貸派」でございます。

あくまで絶対的な正解のない個々人の選択であり、私が勝手に考えている意見であることはご了承ください。

 

先に結論から申し上げますと、私は「賃貸の方が良い」と考えています。

その理由としては、以下の2つです。

  1. マイホームで向こう数十年の住居を固定するのはリスクが高過ぎる
  2. マイホームの方がお得なんてことはない。賃貸と大して変わらない

 

私の意見を詳しく説明する前に、一般的によく耳にする両者の意見から見ていきたいと思います。

私の身の回りにいる知人・友人、SNSなどでは以下のような意見がよく聞かれます。

 

未だに圧倒的マジョリティのマイホーム派の意見として、

・夢のマイホーム

・家賃を支払い続けるのはもったいない(しかも永遠に自分のものにならない)

・住宅ローン控除が使える

・団信に加入できる(生命保険になる)

・いい歳して賃貸は恥ずかしい

 

一方でマイノリティの賃貸派の意見として、

・自由に引っ越しできる

・家族の人数に応じて適切なサイズの家に住める(上記と被ってますが)

・頭金を用意する必要がない

・そもそもまともな職に就いていないので、買うことができない

 

こんな感じでしょうか。確かに両者それぞれの意見に一理あり、といったところですかね。

賃貸派の中には、いずれ時が来ればマイホームを、と考えている人も一定数いると思われます。

私自身も近年、マイホームを持つ会社の上司や友人から上記のような意見を言われるようになりました。というかそのような意見を押し付けられ、「お前も早く買うべきだ」といった論調の主張をされる機会が増えました…

マイホームを買った人というのは、それが良い選択だと判断したから買ったわけで、その判断が絶対正しいと思っている節があるように感じます。

特に「マイホームの方が絶対にお得だ、家賃を払い続けるのはもったいない!」という主張は今まで何度も聞かされてきました。

 

でもマイホームがお得って本当なのでしょうか。

ここから少し詳しく私の意見を説明していきたいと思います。

 

  1. マイホームで向こう数十年の住居を固定するのはリスクが高過ぎる

マイホームは、買ったら同じ家によほどのことがない限り数十年住むことなります。

それって非常にリスクの高いことだと考えていまして、もし以下のようなことが起こったらどうするの?と思ってしまいます。

 

  • 転勤

会社員なら避けては通れない人も多いですね。転職などできれば良いですが、そうでない場合はせっかく購入したマイホームに住めません。ただしローン返済は続きます。

貸し出すにしても、定期借家としての貸出になるため、相場よりも低い金額になるのが一般的です。他人に使用されるのがヤダ、という人もいるでしょう。

 

  • 家族構成の変化

最近は独身で購入する人も増えたものの、まだまだ多くの場合は結婚して子どもが生まれたタイミングでの購入かと思います。

仮にそうでないとしても、子どもは何人になるか分かりませんし、将来離婚するかもしれません(離婚率は約3割です)。いずれ両親を介護のために引き取ることになるかもしれません。そして子どもはいずれ独立していき・・・。

家族構成は常に変化していきます。もし最大人数を見込んでマイホームを購入するとしたら、当然広くて高額なものとなります。

一方で子どもが独立した後の老後は夫婦二人、最悪の場合は一人になるかもしれません。

であれば、適切なサイズの住宅に住むのが無駄もなく最も効率的です。

 

  • 近隣トラブル

あり得ない話ではないですね。運悪く隣人にモンスターがいたら大変です。

マイホームを買ってしまったら、そう簡単に引っ越しできません。

 

  • 趣味・嗜好の変化

2020年のコロナ禍において、人生観が大きく変わったという人は多いと思います。テレワークが浸透し、通勤の必要が無くなったため、「東京に住み続ける理由がない」、「田舎暮らしをしてみたい」という方もいるのではないでしょうか。

この先の将来も何が起こるか分かりません。住居を固定してしまうことは、もし生活を変えたいとなった場合の足枷になってしまいます。

 

  1. マイホームの方がお得なんてことはない。賃貸と大して変わらない

住宅メーカーの売り文句として、「今の家賃と同等の住宅ローン返済で、家が自分のモノになります!」というのをよく見かけます。

一般的には頭金を2割ほど入れ、残りを現在の低金利を活かして35年ローンで返済する、といった感じでしょうか。そうすれば賃貸の家賃同等の住宅ローン返済で済むという計算です(ここでは一旦家のグレード等は無視します)。

もちろんここに修繕積立費や固定資産税などの追加コストが発生するわけですが、私が一番主張したいポイントは「頭金」です。

頭金は当然ながら入れれば入れるほどその後の住宅ローン返済が楽になります。

仮に5,000万円の家で頭金を2割入れるとした場合、その金額は1,000万円になります。現金で。(ここでの現金とは、現ナマではなく銀行預金を含めたキャッシュという意味です)。

現金で1,000万円支払うって、すごいことです。

投資家的思考を持った人であれば、現金1,000万円を今すぐ使ってしまうことのもったいなさが理解できるかと思います。

その1,000万円があれば、利回り5%の日本株に投資した場合、1年後に確率的には1,050万円になります。50万円のリターンが発生するわけです。

当然リスクは生じますが、長い目線で考えれば、日本株で期待利回り5%というのは至極全うで現実的な数字です。

仮に1,000万円を利回り5%、35年間複利運用を続けた場合、なんと5,500万円にもなります。

 

マイホームであればキャッシュアウトしてしまう頭金分を、賃貸であれば運用に回すことができます(もちろんその金額を貯めていればの話ですね。。)。

この重要な視点が一般的な賃貸 vs マイホーム論争で取り上げられることはほぼなく、欠落しているように感じます。

これを損得の計算に加味することで、結果は大きく変わってくるのではないでしょうか。

 

 

長々と私なりの意見を述べてきましたが、改めてポイントをまとめると以下の通りです。

  1. マイホームはリスクが高すぎる
  2. 頭金分を運用した場合のリターンを考慮すべき

 

私としては人生この先何が起こるか分からず、自由に移動できる態勢を取っておきたいため、マイホームで住居を固定することはしたくありません。マイホームというリスクを取るべきではないと考えています。

また、頭金分の運用も自身で適切に行うことができるため、損得面で考えても賃貸を選んで支障はない、むしろマイホームより賃貸が有利だと考えています。

よって、私は断然賃貸を選びます。

 

異論は認めます。

だいぶ長くなりました。それではまた。

FX投資はやめるべき

タイトルの通り、資産運用を目的としたFX投資はやめるべきだと思う。

以前の記事でも書いたように、FX(外貨預金含む)はゼロサムゲームであり、つまり長期的に考えればリターンはゼロ。

financialfreedom.hatenadiary.com

 

むしろFXや外貨預金は、ある国の通貨(一般的な日本人で考えれば日本円)をある別の国の通貨と交換することであり、冷静に考えれば投資というわけではない。ただ単に他の通貨と両替をしているだけ。そのため、基本的に現金を持っているだけのことであり、僅かな銀行金利を除きリターンがあるわけではない。

 

FXの話をする際によく言われるのは、「高金利通貨に投資すればスワップが得られる」ということ(スワップの説明は省略するが、もし知らない方がいれば銀行金利のようなものと考えてほしい)。

確かに高金利通貨を持ち続けることで、ほぼ毎日スワップをもらうことはできる。

代表的なところでは、トルコリラ南アフリカランドが挙げられる。

ただしこれらの通貨は、驚くほどのペースでインフレが進んでおり、通貨の価値は減少し続けている。

そのため、いくらスワップをもらうことができたとしても、その分を相殺してしまうほど通貨の価値が減少しており、結局プラスのリターンとはなりづらい。

むしろ、インフレが進み通貨の価値が減少するのを食い止めるため、その国の中央銀行金利を引き上げている、という方が正しい。

 

中には「FXで儲かった」という人もいるが、それは短期的な所謂ラッキーであり、長期的に考えれば確率として儲かることはほぼない。

ちなみに私も投資初心者の頃FXに没頭していて、最初のうちは100万円ほどの利益が出て、「自分才能ある?」という典型的なビギナーズラックだった時がありました。

ただしその後、本当に絵に描いたように保有していた通貨が下落し、大損失を招いたのでした。結果として利益が吹き飛ぶどころか、ロスカットで元々投入した金額もすべて吹き飛びました。。。そして無念のFX撤退。

この時点ではまだ気持ちの整理はついていなかったものの、やはりFXというのは再現性のない投資(投資ではないけど)であり、老後に向けた資産形成には向かない。

私は少額投資の内に損失を出したことで、今振り返ると良い勉強となりました。。。

これが50歳で初めてFXにチャレンジして大損失、となってしまったら大変ですね。。。

 

もし、保有する資産の通貨を分散させる目的であったり、ゲームとして楽しみたい(それにしては危なすぎるが)ということであれば、FXをやるのも良いのかもしれない。

ただ、長期的な資産形成を目的とするのであれば、FXや外貨預金は向きませんよ、という話でした。

 

それではまた。

投資における期待値

「期待値」。これは私が投資をする上で非常に重要視している指標です。

要は利回りですね。

 

詳細な定義や説明は専門家に譲るとして、期待値を簡単に説明すると、

「投入した金額に対して結局いくら戻ってくるのか」だと考えています。

つまり今100万円を投資したとして、1年後にいくら戻ってくるのか(リターン)。

 

当然のことながら、200万円になるかもしれないし、50万円になるかもしれません。もしくは変わらず100万円の可能性もあります。その不確実なリターンに、確率の要素を加味して予想されるリターンを算出したものが、期待値です。

例えば100万円を投資して、50%の確率で200万円になり、残りの50%の確率で50万円になるとした場合、期待値はいくらでしょうか。

 

正解は、200万円×50%+50万円×50%=125万円です。

つまり、100万円を投資したら、125万円戻ってくると予想されます。

 

この「期待値」は投資において非常に重要で、期待値が100を超えるのならば、その投資は投入額超の金額が戻ってくると予想されることを意味しています。

逆に、期待値が100以下であれば、投入額以下の金額しか戻ってこないと予想されます。

あくまで予想であるから、運が良ければそれ以上戻ってくるかもしれないし、運が悪ければ全く戻って来ない可能性もあります。

ただし、確率というのは長い期間で見るほど、予想される値に収束していきます。

 

この期待値が100を超えるものは、一般的によく「プラスサム」と言われます。

ちょうど100のものは「ゼロサム」、100を下回るものは「マイナスサム」と呼ばれます。

以下は参考として、私たちの身の回りにある投資の期待値です。

 

日本株:105~106(プラスサム)

外貨預金・FX:100(ゼロサム

競馬・パチンコ:70(マイナスサム)

宝くじ:45(マイナスサム)

 

日本株の場合、過去の統計から期待値は105~106と言われ、100万円を投資すれば105~106万円が戻ってくると予想されます。

それとは反対に競馬や宝くじの場合は、驚くほど期待値が低い。つまり資金を投入して続ければ続けるほど、お金を失っていく可能性が高いです。これがいわゆる「ギャンブル」です。

 

特に宝くじについては意外に思う人も中にはいるかもしれませんが、計算上は投入金額の半分以上を失います。よく「1等〇〇億円!」と華々しくキャンペーンをしていますが、当選するのはほんのごく一部の人で、その裏では大多数の人が少額ずつを失う仕組みで宝くじは成り立っています。その失われたお金は、政府の貴重な財源となります。

知っている人からすれば阿保らしい話で、宝くじを嬉々として買っている人たちを見ると、「自ら積極的に納税ありがとう」という気持ちになります。競馬やパチンコはギャンブルとして世間に認知され、危ないものとして避けたがる人が多いのに対し、宝くじはクリーンで夢のあるイメージが持たれているのは何故でしょうか(マーケティングの力...?)

 

話が逸れてしまいましたが、期待値は長期的に見れば予想される確率に収束していくため、老後である20年・30年・40年・50年単位で考えれば、上記の期待値に近づきます。日本株で言えば、年間の期待値である105~106に近づくということです。

よって、仮に今100万円を投資すれば、100万円×105%×105%×105%・・・となります。

 

改めて期待値の考え方は投資において非常に重要で、「期待値のより高い投資商品により長く投資を続ける」ということが長期的な資産形成の上で欠かせません。

そうすれば、運に頼ることなく、より再現性の高い投資を実現させていくことができます。

言わずもがな、期待値が100を下回るギャンブルには絶対に資金を投入しないべき。

宝くじを買っている人たちには感謝の気持ちを持って接しましょう。

それではまた。