投資における期待値
「期待値」。これは私が投資をする上で非常に重要視している指標です。
要は利回りですね。
詳細な定義や説明は専門家に譲るとして、期待値を簡単に説明すると、
「投入した金額に対して結局いくら戻ってくるのか」だと考えています。
つまり今100万円を投資したとして、1年後にいくら戻ってくるのか(リターン)。
当然のことながら、200万円になるかもしれないし、50万円になるかもしれません。もしくは変わらず100万円の可能性もあります。その不確実なリターンに、確率の要素を加味して予想されるリターンを算出したものが、期待値です。
例えば100万円を投資して、50%の確率で200万円になり、残りの50%の確率で50万円になるとした場合、期待値はいくらでしょうか。
正解は、200万円×50%+50万円×50%=125万円です。
つまり、100万円を投資したら、125万円戻ってくると予想されます。
この「期待値」は投資において非常に重要で、期待値が100を超えるのならば、その投資は投入額超の金額が戻ってくると予想されることを意味しています。
逆に、期待値が100以下であれば、投入額以下の金額しか戻ってこないと予想されます。
あくまで予想であるから、運が良ければそれ以上戻ってくるかもしれないし、運が悪ければ全く戻って来ない可能性もあります。
ただし、確率というのは長い期間で見るほど、予想される値に収束していきます。
この期待値が100を超えるものは、一般的によく「プラスサム」と言われます。
ちょうど100のものは「ゼロサム」、100を下回るものは「マイナスサム」と呼ばれます。
以下は参考として、私たちの身の回りにある投資の期待値です。
日本株:105~106(プラスサム)
外貨預金・FX:100(ゼロサム)
競馬・パチンコ:70(マイナスサム)
宝くじ:45(マイナスサム)
日本株の場合、過去の統計から期待値は105~106と言われ、100万円を投資すれば105~106万円が戻ってくると予想されます。
それとは反対に競馬や宝くじの場合は、驚くほど期待値が低い。つまり資金を投入して続ければ続けるほど、お金を失っていく可能性が高いです。これがいわゆる「ギャンブル」です。
特に宝くじについては意外に思う人も中にはいるかもしれませんが、計算上は投入金額の半分以上を失います。よく「1等〇〇億円!」と華々しくキャンペーンをしていますが、当選するのはほんのごく一部の人で、その裏では大多数の人が少額ずつを失う仕組みで宝くじは成り立っています。その失われたお金は、政府の貴重な財源となります。
知っている人からすれば阿保らしい話で、宝くじを嬉々として買っている人たちを見ると、「自ら積極的に納税ありがとう」という気持ちになります。競馬やパチンコはギャンブルとして世間に認知され、危ないものとして避けたがる人が多いのに対し、宝くじはクリーンで夢のあるイメージが持たれているのは何故でしょうか(マーケティングの力...?)
話が逸れてしまいましたが、期待値は長期的に見れば予想される確率に収束していくため、老後である20年・30年・40年・50年単位で考えれば、上記の期待値に近づきます。日本株で言えば、年間の期待値である105~106に近づくということです。
よって、仮に今100万円を投資すれば、100万円×105%×105%×105%・・・となります。
改めて期待値の考え方は投資において非常に重要で、「期待値のより高い投資商品により長く投資を続ける」ということが長期的な資産形成の上で欠かせません。
そうすれば、運に頼ることなく、より再現性の高い投資を実現させていくことができます。
言わずもがな、期待値が100を下回るギャンブルには絶対に資金を投入しないべき。
宝くじを買っている人たちには感謝の気持ちを持って接しましょう。
それではまた。